好美の幕末中央区62
コラムcolumn

天保の改革で、幕府による庶民の娯楽や贅沢が禁止され、厳しい取り締まりが行われました。 江戸歌舞伎廃止の危機を救ったのは誰でしょうか?
「この桜吹雪が目に入らぬか」でお馴染みの時代劇ドラマ『遠山の金さん』で知られる北町奉行・遠山金四郎さんです。彼は廃止ではなく移転を進言し、芝居小屋を浅草に移転することで歌舞伎の存続を図りました。なぜ金さんは中央区で生まれた江戸歌舞伎を守ってくれたのでしょうか。
それは、江戸が不景気になると下層町人の蜂起や騒動が起こる可能性が高まり、その回避を考え、「繁華」で「賑わう」江戸を維持することが重要であるという考えがあったと言われています。もしかすると、金さんは歌舞伎の大ファンだったのかもしれません。
中央区で生まれ、歴史が続く今でも楽しい歌舞伎。金さんに救われたのでした。
WRITER
祖父江 好美YOSHIMI SOFUE
コラム「幕末中央区」担当。声と身体を使った表現分野で活動している講師陣による団体「ココラボ」の代表。つくつきが開催したR65ミュージカルの作詞作曲演出を担当。鬼の演出家で出演者のシニアをビビらせた。幕末大好きのお母さんです。