演芸コラム 2024.11.21

東京かわら版Vol.12:亭号

コラムcolumn

東京かわら版Vol.12:亭号

どの演者さんにも一部の例外を除いて、亭号があります。三遊亭好楽の三遊亭、林家たい平の林家、これらの名字のようなものが亭号です。演者さんを呼ぶ時には、亭号ではなくて名前で呼んでいただくのが決まりです。いまだにほかの媒体で、「三遊亭さんが言うには…」などの呼び方をしているのを発見すると、歯がゆい気持ちになります。
話は逸れましたが、亭号には各々意味があります。例えば三遊亭ですと「(酒を)呑む・(博打を)打つ・(女郎を)買う」の三道楽をもじって三遊亭といった具合です。また亭号は変化することもあります。例えば林家は元来「林屋」でしたが、5代目の林家正蔵によって「家」が使われるようになりました。他にも亭号には柳家・古今亭(ここんてい)・林家・春風亭・立川・桂・笑福亭などがあります。
小社刊の「東都寄席演芸家名鑑2」(右写真)があれば、噺家さんの亭号しかわからない場合や、名前しかわからない場合(寄席や落語会のめくりでは名前のみの表示の場合もあります)でも、亭号索引、名前索引の両方を掲載しております。是非ご活用いただき、推しの噺家さんを見つけていただければ嬉しいです!

WRITER

KENJI INOUE

コラム「演芸コラム」担当。月島3丁目に本社がある日本で唯一の演芸雑誌「東京かわら版」の二代目発行人。いろいろな視点で演芸を紹介している。おかげでつくつき読者の演芸ファンが急増して、山遊亭金太郎の襲名披露公演では多くの読者が参加した。

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