演芸コラム 2025.04.22

東京かわら版Vol.16:江戸落語と上方落語の違い

コラムcolumn

東京かわら版Vol.16:江戸落語と上方落語の違い

月島三丁目「東京かわら版」代表井上さん演芸コラム⑯ 

今月は江戸落語と上方落語の違いについて触れたいと思います。

 言葉が江戸言葉、上方言葉と違うのはもちろんですが、上方落語では「膝隠し」「見台(けんだい)」「小拍子」を使用し、大きな音を出したりしてお客様の目を引きます。なぜスタイルが異なるか。 それは落語の成り立ちが、江戸落語は小屋やお座敷などの室内で始まったこと、上方落語は路上・屋外の語りが始まりだったことに起因します。

 江戸落語は静かな室内が元だったために落ち着いてじっくりと語る。上方落語は騒がしい屋外が元だったため派手に賑やかに語る。上方落語には「はめもの」といって噺の途中に鳴り物が入ることもよくあります。一般的に江戸は人情噺が本場で職人や侍の話が多い、上方は華やかな滑稽噺が本場で商人が出てくる噺が多いともいわれています。 また同じ内容でも演目の名前が替わる噺もございます。江戸の「時そば」、上方の「時うどん」などです。江戸の「酢豆腐」、上方の「ちりとてちん」も似たような噺です。

 今は東京にいても上方落語が出演する会も多いので、ぜひ上方落語にも触れていただいて、大いに笑ってみてください。

東京かわら版代表井上健司月島三丁目14-5西仲通り相田書店他で発売中

 

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