東京かわら版Vol.15:今月は浪曲をご紹介⑮
コラムcolumn


月島三丁目「東京かわら版」
代表井上さん演芸コラム⑮ 先月は講談を紹介しましたが、今月は浪曲を紹介いたします。
浪曲は「一声、二節、三啖呵」といわれる明治時代初期から始まった芸能で、三下りの三味線と共に物語を節と啖呵で演じる語り芸で、昭和半ばまでは芸能の王座と呼ばれるほど人気があったようです。浪曲に関するワードとして、アニメ「ちびまる子ちゃん」で「清水次郎長」が出てきたり、「スシ食いねぇ!」というフレーズを耳にしたりしたこともあるのではないでしょうか。
ステージ上は美しい屏風で飾り、センターは豪華なテーブル掛けで飾ります。浪曲師の衣裳は紋付袴で、曲師と呼ばれる合三味線(あいじゃみせん)を常に従えて口演します。
ここ最近では1月21日から30日に、玉川太福先生が新宿の末広亭で浪曲師として60年以上ぶりに寄席定席のトリをとったことが業界では話題になりました。
浅草にある木馬亭では毎月1日から7日まで、浪曲定席がございますので、是非劇場で生の浪曲に触れていただければと思います。 声を出して笑って楽しんだり、唄・声の迫力や三味線との掛け合いに心動かされると思います。
東京かわら版代表井上健司月島三丁目14-5西仲通り相田書店他で発売中
WRITER
井上 健司TAKESHI INOUE
コラム「演芸コラム」担当。月島3丁目に本社がある日本で唯一の演芸雑誌「東京かわら版」の二代目発行人。いろいろな視点で演芸を紹介している。おかげでつくつき読者の演芸ファンが急増して、山遊亭金太郎の襲名披露公演では多くの読者が参加した。