演芸コラム 2024.08.19

月島三丁目「東京かわら版」 代表井上さん演芸コラム⑨「真打」

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月島三丁目「東京かわら版」 代表井上さん演芸コラム⑨「真打」

「真打」これは日常会話でもよく聞く単語ですね。 「いよいよ本日の真打の登場です!」などよく耳にします。東京の落語界において最高位を表す真打になると、寄席でトリを取る(番組の最後に出演する)ことができます。この「トリ」も「お待たせしました、本日のトリを務めますのは佐久間編集長!」みたいに使用しますね。真打もトリも落語界から発生した言葉なのです。
話を戻しましょう。真打に昇進すると「〇〇師匠」と呼ばれるようになり、弟子を取ることができるようになります。二ツ目までの噺家さんは「〇〇師匠」と呼びません。噺家さんのことを身分も知らずに気軽に「〇〇師匠!」と呼ぶのは誤りなのでお気をつけください。
真打の語源としては、昔の寄席の高座には照明用として蝋燭が立っていて、寄席興行が終わると最後の出演者が蝋燭の芯を打つ(切って消すこと)ことをしたために「芯打ち」といわれ、真打になったというのが一般的です。
因みにトリの語源は、寄席で最後に出演する真打が収入を全部取り、出演者たちに分けていたため、その「取る」ということからトリになったという説が有力です。
東京かわら版」発行人 井上健司

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