演芸コラム 2024.07.13

月島三丁目「東京かわら版」⑦ 代表井上健司氏演芸コラム 色物

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月島三丁目「東京かわら版」⑦ 代表井上健司氏演芸コラム 色物

寄席に行くと多くの落語家さんの演目を楽しむことができます。しかし寄席に出演するのは落語家さんだけではございません。
「色物」と呼ばれる落語以外の演芸を生業とする演者さんが必ず番組の中に何回か出てきます。中でも先日亡くなられた林家正楽師匠の紙切りは大変人気があり、即興で仕上げるその作品の出来栄えは本当に素晴らしく、思わず感嘆の声を上げるものでした。
業種は実に様々で、落語以外に彩りとして演じられている漫才、漫談、マジック、太神楽、ジャグリング、物まね、紙切りなど…寄席の看板やビラをよく見ていただくと、黒ではなく朱色など別の色で寄席文字が書かれています。
分かりやすく、思わず見入ってしまうような演芸が多いので、寄席鑑賞に行くと落語よりも色物の方が印象に残っている、という感想も聞かれます。子供や若いお客様にも人気がございます。
寄席興行の主任(トリ)の一つ前の出番は「膝代わり(ヒザ)」といって、大抵色物が出演します。時間調整もしやすく、主任にうまくバトンタッチできるからですね。寄席演芸鑑賞に行った際には、落語はもちろん、色物にも是非ご注目を!‼
東京かわら版」発行人 井上健司

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