東京かわら版代表井上さん演芸コラム32 出囃子(でばやし)
コラムcolumn

今月のコラムは出囃子(でばやし)についてです。
出囃子とは演者さんが高座に上がるときにかかるその人のテーマソングのようなものです。前座さんは「前座の上がり」という曲がかかることがほとんどで、二ツ目以上の落語家さんは一人一人曲が決まっています。プロ野球選手が打席に立つときに、トランペットでそれぞれ選手ごとに決まった音楽が鳴るのと同じようなイメージですね。
さてこの出囃子ですが、昔からある曲もありますし、ジャズや歌謡曲、クラシックをアレンジして使ったりすることもあります。演芸会の出囃子では、三味線、大太鼓、締め太鼓、笛、鉦(かね)が使われます。三味線は「お囃子さん」と呼ばれる専門の演奏者さん、太鼓は前座さん、笛は二ツ目さんなどの演者さんにより演奏されるのが一般的です。
このうち太鼓演奏は前座修業の必須項目です。笛は必須ではないのですが、演奏ができるとこれだけで他の仕事に呼ばれることもあるので、落語家さんにとって大きな武器になります。
出囃子は落語会ではCDが使われることも多いですが、寄席や一部落語会では生演奏が披露されます。ぜひ耳を傾けてみてください。
WRITER
井上 健司TAKESHI INOUE
コラム「演芸コラム」担当。月島3丁目に本社がある日本で唯一の演芸雑誌「東京かわら版」の二代目発行人。いろいろな視点で演芸を紹介している。おかげでつくつき読者の演芸ファンが急増して、山遊亭金太郎の襲名披露公演では多くの読者が参加した。

