No.80 帯状疱疹
暮らすlife
今週は帯状疱疹について再掲です。
帯状疱疹の経験ある方は多いと思いますが、帯状疱疹とは幼少期にほとんどの皆さんが経験した水疱瘡と同じウイルスが原因で起こります。幼少期に感染した水痘帯状疱疹ウイルスが神経に潜伏し続け大人になり通常の免疫で抑えられていた水痘帯状疱疹ウイルスが何らかの原因で免疫機能が低下し帯状疱疹として症状が現れます。症状としては体の片側の皮膚にピリピリとした痛みを感じ、数日から1週間ほどして激痛とともに赤い斑点や水ぶくれが神経に沿って帯状に現れます。
重症化すると帯状疱疹後神経痛の原因となるほか、顔面にできた場合は視力、聴力、味覚などの感覚に影響が残ったり表情筋に麻痺(まひ)が起きたりするのでしっかり治療しましょう。
50代を過ぎると発症確率が上がりますが、近年は世代を問わず発症しています。通常帯状疱疹ウイルスに対する免疫は20年ほどで弱まってしまいますが、子供が水疱瘡にかかりそこから再感染することで再び免疫を獲得していました。しかし2014年に小児への水疱瘡ワクチンが定期接種化され子供の発症が減り大人がウイルスに晒される機会が減ったこと、家族構成が核家族化したことで再感染の機会が減り幅広い年代で発症するようになりました。世代を問わず気をつけるべきです。
予防として、最も有効なのはワクチンでしょう。
ワクチンは50歳以上が対象で現在2種類存在し、2020年に承認されたワクチンは予防効果が97%(2回接種した場合)と非常に高く、免疫低下している方も接種できます。
帯状疱疹後疼痛が後遺症として残る方も少なくありません。痛みはQOL(人生の質)に直結し非常に重要です。軽視せず積極的に予防していきましょう。